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TRMM reentered the atmosphere over the Indian Ocean

航空宇宙宇宙工学分野元教授(2000年~2008年)の岡本謙一先生が郵政省通信総合研究所在職中にJAXA(当時NASDA)と共同で開発した降雨レーダ(PR)が搭載された,NASAの熱帯降雨観測ミッション衛星(TRMM)が,3年2ヵ月の設計寿命を大幅に上回る,17年以上に及ぶミッションを終え,米国東部夏時間の6月15日23:55 (日本時間6月16日13:55)に南インド洋上空で大気圏に再突入したとNASAが発表しました.

http://www.nasa.gov/feature/rainfall-spacecraft-re-enters-over-tropics

2011年の米国の高層大気観測衛星UARS以来の大型衛星の大気圏再突入で,NASAの見積もりによると,トータルで約115 kg の金属(おもにtitanium)が燃え残って地上に落下すると見積もられており,すでに燃料を使い切っていたたことにより非制御再突入(uncontrolled renetry)となったため,地上の人間に当たる可能性が1/4200 と推定されていましたが,今のところ,被害などの報告はないようです.

熱帯降雨観測衛星(TRMM)は,NASA開発の衛星にJAXA(当時NASDA)と情報通信研究機構(NICT,当時は通信総合研究所)が共同で開発した降雨レーダ(PR)を搭載し,1997年11月にH-IIロケットにより種子島宇宙センターから打上げられました.その後,観測運用を17年間に渡り継続し,気象/気候及び水循環分野の研究並びに実利用において多大な成果をあげてきました.Web of Science (Thomson Reuter)に登録されているTRMM関連論文数は2142件(2014年11月27日現在)であり,被引用数は2万件以上となっています.

熱帯降雨観測ミッション(TRMM)については5月に府大で開催された日本航空宇宙学会関西支部講演会で岡本謙一先生の講演がありましたので,聴かれた方もいらっしゃるかと思います.岡本先生はTRMM開発の貢献に対して,武田賞(2002年)などを受賞されています.大阪府立大学在職中も, TRMMのデータを利用した世界の雨分布速報(GSMaP)の開発などで研究代表者として大きな貢献をされ,これらの功績により平成25年度宇宙開発利用大賞国土交通大臣賞も受賞されています.

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